鹿児島市山下町に店を構える「麺歩バガボンド」。
鹿児島ラーメン激戦区である鹿児島において、常に高い評価を受け続けている名店の一つです。
特に、その濃厚かつ奥行きのある味わいのつけ麺は、多くのファンを魅了し続けています。
東京の有名店「麺屋武蔵」で修行を積んだ店主が、その技術と個性を融合させ、鹿児島の地で独自の味を確立しました。
今回、私はかねてより評判を聞いていたこの鹿児島の名店のつけ麺を実食する機会を得ました。
その感動を、詳細なレポートとしてここに綴ります。
鹿児島が誇る濃厚魚介つけ麺の実力
期待高まる入店と注文:アクセスと待ち時間
市役所前駅からほど近い立地にあるバガボンド。
鹿児島市山下町というアクセスしやすい場所にあります。
外観は落ち着いた雰囲気で、扉を開け入店すると、店内は店員さんのハキハキした「いらっしゃいませ」の言葉にテキパキした動き、活気に満ちていました。
早速、券売機で目当ての「特製つけ麺」の食券を購入し、店員さんに手渡すと、「厚盛・冷盛」、「太麺・細麺」、麺の量を確認され、カウンター席に案内されました。
麺の量は並盛、大盛と選べましたが、今回はその味を存分に堪能するため、欲張って大盛を選択しました。
自家製麺を使用しているためか、提供までにやや時間がかかるとのことでしたが、厨房から漂う香ばしい出汁の香りが、その待ち時間さえも期待感へと変えてくれます。
また、チャーシューは、肉の仕入れ状況により、通常バラ肉ですが、ロースも選べるようになっていました。
※今回の注文内容は、特製つけ麺「大盛・冷盛・バラ肉」をチョイスしました。
※太麺には限りがあり、閉店間際になると細麺しかない場合があるので注意。
いよいよご対面:圧倒的な存在感と濃厚魚介豚骨
待つことしばし、私の目の前につけ麺が運ばれてきました。
その瞬間、私は思わず息を飲みました。
一般的なつけ麺のイメージを遥かに超える、迫力と美しさを兼ね備えた盛り付けです。
まず目を引くのは、太く艶やかな自家製麺。
見るからにもちもちとしてコシがありそうな麺は、丁寧に水で締められ、芸術的なまでに美しく盛られています。
小麦の香りがほんのりと立ち上り、食べる前からその質の高さを予感させます。
そして、麺皿には、麺の上に豪快に盛り付けられた炙りチャーシューが目を引きます。
厚切りのバラチャーシューが3枚、食欲をそそる焼き色を帯びて鎮座し、隣にはとろりとした味玉、そして海苔とメンマが添えられています。
ビジュアルだけでも満足度が高い一品です。
隣に置かれた漆黒の器には、たっぷりと注がれた濃厚なつけ汁。
湯気と共に立ち上る香りは、魚介系の芳醇な香りと、動物系のコクのある香りが複雑に絡み合い、食欲を極限まで刺激してきます。
この濃厚魚介豚骨スープこそが、バガボンドの真骨頂です。
つけ汁の中には、細かく刻まれた玉ねぎ、青ネギ、そしてチャーシューの小さな塊も入っていました。
麺とつけ汁の協奏曲:至高の実食体験
まずは麺だけを一本。
低加水と高加水の中間を行くような、絶妙な太さとコシです。
噛むとムチッとした弾力があり、噛みしめるごとに小麦の豊かな風味と甘みが口の中に広がります。
次に、いよいよつけ汁にディップします。
麺をたっぷりと絡ませてから持ち上げます。
一口目、衝撃的な濃厚さです。
魚介系の風味がガツンと来ますが、すぐに動物系の重厚なコクがそれを包み込みます。
醤油ダレのキレと、複雑にブレンドされた出汁の旨味が相乗効果を生み出し、まさに「食べるスープ」と呼ぶにふさわしい濃度と味わいです。
単なる「濃い」ではなく、「深い」旨味があります。
この濃厚なつけ汁が、あのコシの強い太麺に負けることなく、しっかりと絡みつき、口の中で一体となります。麺を啜るたびに、つけ汁の持つ旨味成分が一気に放出され、口腔内を満たします。
トッピングの妙と最後まで楽しめる工夫
具材へのこだわりと味変の愉しみ
麺とつけ汁の圧倒的なクオリティに加え、トッピングの具材も手を抜いていません。
麺の上に豪快に盛られた炙りチャーシューは、厚切りで食べ応え抜群!!
表面は香ばしく炙られ、中はトロリとした脂身と、しっかりとした肉質が共存しています。
濃厚なつけ汁にくぐらせて食べると、その脂の甘みがつけ汁の旨味と溶け合い、さらに深い味わいを生み出します。
麺と一緒に頬張れば、肉の旨みと麺の食感、そしてつけ汁のコクが見事に調和します。
また、シャキシャキとした食感がアクセントとなる太めのメンマや、風味豊かな海苔も、濃厚なつけ汁の中にあって、爽やかな清涼感と食感のコントラストを提供してくれます。
味玉はしっかりと味が染みており、黄身の濃厚さがつけ麺全体の味わいをよりまろやかにしてくれます。
食べ進めるうちに、卓上に置かれた自家製のスパイ酢に手が伸びます。
これがまた絶妙で、濃厚なつけ汁にピリッとした刺激が加わり、食欲が再燃します。
単調になりがちな濃厚つけ麺に、豊かな変化を与えてくれる、店主の細やかな気配りが感じられます。
飽きさせない工夫が随所に光ります。
〆のスープ割りまで完璧
大盛の麺を完食し、満腹感が押し寄せますが、この美味しいつけ汁を残すのは忍びない。
そう思い、店員さんに「スープ割り」をお願いしました。
温かい和風出汁で割られたつけ汁は、角が取れ、まろやかで優しい味わいに変化します。
これまでの濃厚さから一転、ホッとできるような上品なスープへと昇華し、最後まで飲み干せる完璧な〆となりました。
丼を空にして、初めて「麺歩バガボンドのつけ麺を食べきった」という充実感に包まれました。
まとめ:鹿児島を代表するつけ麺の傑作
麺歩バガボンドのつけ麺は、自家製麺の持つ力強さ、つけ汁の圧倒的な濃厚さと奥行き、そしてそれを支える具材一つ一つの完成度の高さが三位一体となった、鹿児島を代表するつけ麺の傑作と言えるでしょう。
特に、濃厚でありながらくどくなく、最後まで飽きさせない味の構成は見事としか言いようがありません。
つけ麺ファンはもちろん、まだつけ麺の魅力に気づいていない方にも、ぜひ一度足を運んで、この感動を体験していただきたいと心から思います。
鹿児島市を訪れた際には、この「麺歩バガボンドのつけ麺」を、旅の思い出の一つに加えることを強くお勧めします。
地元民も愛する人気店の味を、ぜひご自身で確かめてみてください。
麺歩バガボンド 店舗情報
| 項目 | 詳細 |
| 店名 | 麺歩バガボンド |
| 所在地 | 鹿児島県鹿児島市山下町12-27(鹿児島市役所前近く) |
| アクセス | 市電「市役所前」電停から徒歩約2分 |
| 営業時間 | 11:15~15:00 / 16:30~21:00(※スープがなくなり次第終了) |
| 定休日 | 不定休 |
| ジャンル | 濃厚魚介豚骨つけ麺 |
| 食したメニュー | 特製つけ麺(大盛) |
※上記情報は、訪問した際の内容に基づき作成しておりますが、最新の営業時間や料金は店舗にてご確認ください。